携帯メールに災害時情報/県が実用性検証/避難経路、場所を指示/中津川市

 災害時の避難経路や、薬、食料の情報も携帯メールで確認−。県は九日、災害時に実際に市民が求める情報を各種携帯電話機能で提供できるかを、市民二百人の協力で検証する実証実験を、県内で唯一、地震対策防災地域に指定されている中津川市内で実施した。

 実験は、テレビ電話やGPS(衛星利用測位システム)などの機能を備える最新機種を使い、災害時に行政側が適切な情報を提供できるかを検証するもの。同市茄子川の東美濃ふれあいセンターで行われ、十四−八十四歳の二百人が参加した。

 この日は、携帯電話のインターネット機能で個々の参加者と災害対策本部をつなぎ、▽救援要請▽避難経路、場所▽避難場所で適切なサポートを受けられるか−などの情報をメールで送受信し、実際に動く形式で実施。誘導実験では「突き当たりを左折し、階段を上る」などの文字情報がメールで送信された。

 参加者の約八割はメール情報に沿ってスムーズに行動できたが、接続ができなかったり、参加者からの送信ができないトラブルも続出。恵那郡福岡町の会社員今井信子さん(25)は「初めて来たこの場所でも避難経路は分かった。でも外に出たらどうか」と話した。

 実験を統括した神成淳司国際情報科学芸術アカデミー講師(県情報技術顧問)は「日常使う携帯電話に、災害情報も当たり前に提供できて、使えるようになるのが理想。今回の実験でトラブルも把握できた」と総括。県は今後、有効と認められた機能について、文部科学省とも連携しながら開発を進める。

(写真)メールの指示に従い、移動する男性参加者=中津川市茄子川、東美濃ふれあいセンター

岐阜新聞3月11日付朝刊社会面》
http://www.jic-gifu.or.jp/np/g_news/200303/0311.htm#2