【asahi.com】サンゴ保護、オニヒトデ駆除へGPS活用

沖縄の海で昨年来大発生し、サンゴを食い荒らしているオニヒトデ駆除のため、沖縄県は20日の対策会議を機に「オニヒトデ調査管理システム」(GIS)の運用を始める。調査・駆除の位置を、衛星を使った全地球測位システム(GPS)で正確につかみ、そのデータを、分布調査や駆除実績、サンゴ分布などのデータベースと組み合わせてオニヒトデの「今」を正確につかむ。地図に重ねられた情報はインターネットで公開もする。台風シーズンが過ぎたこれから駆除は本格的になる。

 オニヒトデは1980年代にも大発生したが、現状を同時進行で記録し、そのデータを駆除に生かすことは、従来の紙帳簿方式では難しかった。

 そこで考え出したのがGIS。オニヒトデの数、大きさ、生息するサンゴの種類、水深などの最新データや駆除の成果をコンピューターで管理することにした。

 駆除・調査活動の地図上の位置を特定することが重要だが、大きな壁だった。しかし、最近はGPS機器が安くなったこともあって、ダイバーを運ぶ小型船舶の多くが装備している。これで、時には100メートル以上の単位であった誤差は10メートルから20メートル以内程度に縮まり、問題はほぼ解決した。

 今後、駆除実績と実際の分布状況変化の対比が刻々とわかり、作業指揮は的確で機動的になる。

 県自然保護課は「新システムが稼働すれば、ボランティアダイバーは、沖縄県のホームページで、自分の役割がわかり、協力する漁協やダイビング協会も他組織と足並みをそろえやすくなる」と、その効果に期待している。