米ベル研、プライバシ保護と位置情報公開を両立するソフト技術「PCP」を開発

http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/comp/286473

 米Lucent Technologiesの米Bell Labs(ベル研)は、ユーザーのプライバシを守りつつ位置情報を他者に提供できるソフトウエア・フレームワーク「Privacy-Conscious Personalization(PCP)」を開発した。Lucent Technologies社が米国時間1月19日に明らかにしたもの。

 PCPは、位置情報サービス対応の携帯電話機やPDAなどを使って、ユーザーの所在地をほかのユーザーに公開するシステム。時刻や場所、ユーザーの状況、情報を要求している人物など、さまざまな条件に応じて位置情報の公開/非公開を決められるので、「プライバシに配慮した位置情報システムを作れる」(同社)

 ベル研によると、「現在の位置情報システムは、ユーザーの希望とは関係なく所在地を公開してしまう」という。それに対しPCPは、ユーザーの設定に従い、仕事中や買い物中といった状況に応じて位置情報を他者に提供するかどうか決定できる。

 たとえば外回りのセールス担当者の場合、勤務時間中は上司の要求に対して所在地を応答するが、午後5時30分以降は公開しない、という設定が可能。また、重要な顧客からの問い合わせに対しては常時公開するものの、位置情報の精度を10マイル(約16km)程度まで下げておくことで顧客のライバル企業を訪問していることを隠す、といった使い方もできるという。

 同フレームワークは、位置情報の要求を受けると「Houdini」(開発コード名、製品名は「Vortex」)と呼ばれるルール・エンジンを動かす。Haudiniはユーザーの設定内容とその時点の状況を比較し、情報を提供すべきかどうか判断する。「位置情報サービスなどのモバイル機器向け機能はリアルタイム処理が必要なので、PCPの処理は数ミリ秒以下で済ませることになる」(ベル研)

 なおベル研は、カリフォルニア州バークリーで開催される2004 IEEE International Conference on Mobile Data Managementで同フレームワークの論文を発表する。

ユーザが精度を選べる時代になってくるということなんでしょう。